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2009/11/11

川崎徹著 『猫の水につかるカエル』

今年1番の本!
川崎徹著 『猫の水につかるカエル』 講談社刊

評=榎本了壱

Tkawasaki_1
川崎徹著
講談社刊
定価1,600円+税

川崎徹さま

『猫の水につかるカエル』は、贈っていただいてすぐ讀みました。
感動して、どう手紙を書くか迷っているうち時間が経ってしまいました。
まず、『傘と長靴』に出てくるホームレスのエノモトさん登場で、
ぐっと近親感を禁じ得ない状況で、読み進みました。
公園猫と、父の死と、父の記憶の、構成が見事で、緊張感があります。
しかも父の通夜の一夜は、イタリアン・ネオリアリズムの映像を見ているような、
ドキドキするものがありました。(…)

それにしても、死ぬまで面倒を見るという行為は、奇妙な優しさに満ちていますね。
と思って、2作目(書題作)は、これを越えるのは大変だろうなと思って読み出したら、
これがまた、左肩上がり(本は右から左に移動するので)のすごさ。
でかい友人の登場あたりから、飼い猫との心中話(いいね!!)、
そして、極めつけは友人の、散骨の場面でしょう。
おかしいやらと思っていたら、目一杯悲しくなって泣いてしまいましたよ。
スゴイ!!! 川崎徹はスゴイゾ!!!と叫びました。
今年読んだ本の1番です!
もちろん、
村上春樹の「1Q84」より上です。
いずれにしても、川崎徹の死生観の書、『死者の書』と言えるのでしょう。
そんなに遠くない、生まれた時間に逆戻るより遥かに近い時点にあるはずの死を、
しっかりと見つめている態度に驚きました。
感動!!!
しかし、ソファのようなでかい形見分けを引き受けるのと、
ミルフィーユとパンナコッタをいっぺんに食べることは、
あまりお薦めできません。もうすこし、面白く生きてもらう為にもね。
でもこの本は、愚行、愚直を大目に見てやるやさしさに満ちている。
それが、ほんとうは、テーマかもしれませんが。
ありがとうございました。悲しかったり、うれしかったり、でした。

榎本了壱

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