« ドライフラワーを分解!モザイク調のかさね花と銅版画の展示! | トップページ | 新刊書籍です・・・21世紀のあくび指南 »

2007/04/10

美麗な句集が発売中

         『花鳥都市』 水野麗句集 
                オユキボー書店より発売中
2_12

         花盛り酌めども毒杯とはならず

     珠玉の現代俳句集『花鳥都市』水野麗句集が発売中。
     蜷川有紀さんによるさわやかで艶やかなカバー・挿画に見とれてください。
     斬新な句が多数掲載!
     春の季節に、大切に読み進めて頂きたい1冊です

      ★栞より抜粋、笹公人さんによる流麗な文章を読みたい方は以下をクリック!

★栞より抜粋

  水野麗句集『花鳥都市』を読む

  美貌の俳句                       笹 公人

  兜蟲飼ひ女のみ生きており

 「兜蟲」は鎧兜の暗喩であろう。戦場で命を落とした夫を持つ女の孤独な日常生活が浮かび上がってくる。きっと遺品として残った鎧兜を撫でながら亡き夫を偲んでいるのだろう。この鎧は、日本の鎧兜ではなく、西洋の鎧兜という感じがする。それは、もしかしたら水野さんの鼻筋の通った日本人離れしたルックスによる先入観もあるかもしれないが、
いずれにせよ水野さんの句にはどこか西洋のムードが漂っている。
  旅立ちはトランクひとつ髪に薔薇

 そんな水野さんだから、こういったフランス映画のようなムードを持った句を詠んでも自然と様になるのである。

  蝿生るる夜は水のごとく読む聖書

 カトリック信者にとって「聖書」は、なくては生きていけないというまさに水のような存在であろう。そして、世界最大のベストセラーでもある聖書は、ホテルの引き出しにも置かれており、まるで蛇口のようにあちこちにあることを考えると、「水のごとく読む」というのは多義的な解釈を持った深い言葉であることがわかる。「蝿」はサタンの側近の堕天使・ベルゼブブを暗示させ、聖書を読んで誘惑と戦う作者の姿を想像させる。水と聖書が美しく響き合う、スケールの大きな句である。

  竹馬や英霊といふ男たち

 この句には、竹馬に乗って遊んでいた無垢な少年が、青年となり、勇敢な兵隊となり、そして戦争で散って英霊となるまでの時間の経過が凝縮されているような不思議な空間がある。そして、ここには母の目から見た戦争がある。

  黒きを愛す百合・薔薇・菫・父の傘
  鳥渡る黒い受話器が鳴りわたり

 一句目。水野さんの「黒」への嗜好があらわれている。「黒きを愛す」ときて、黒い物がくるかと思いきや、いきなり正反対の白い百合の花がくる。そして、真っ赤な薔薇、紫の菫ときて、最後に父の黒い傘が花のようにぱっと広がる。黒くて大きな傘は、「家長」という言葉がまだ生きていた時代の父親を象徴しているかのようだ。父への愛情と少女時代への郷愁がひっそりと伝わってきて、余韻が残る。
 二句目。黒い受話器が知らせる内容はおそらく凶事であろう。窓をよこぎる鳥たちは、凶事を伝えにやってきたのか、それとも不吉な予感に脅えて飛び去っていったのか。背後に様々なドラマを匂わせている。

  ビルの没日が美貌の昭和かな

 「美貌の昭和」というフレーズにまず驚いた。言えそうで言えない言葉である。おそらく高度経済成長期の東京のワンシーンであろう。ビルとビルの間に沈んでゆく夕陽は、昭和のいちばん美しい貌だったのだ。この句を読むと、希望に満ちあふれていた頃の日本人のいきいきとした笑顔がせまってきて、私は元気になれるのである。

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲

ご購入希望の方は、
「住所、氏名、電話番号、メールアドレス」をご記入の上、
下記のアドレスへメールにてご連絡ください。
折り返し、代金振込先等の詳細をご連絡いたします。

『花鳥都市』 水野麗句集 
2,500円(税込)/オユキボー書店
栞文(笹公人/榎本バソン了壱/蜷川みほ/蜷川有紀)
 

shop@oyukibo.com

▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲▼▲

編/A.okada

|

« ドライフラワーを分解!モザイク調のかさね花と銅版画の展示! | トップページ | 新刊書籍です・・・21世紀のあくび指南 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/174560/14621541

この記事へのトラックバック一覧です: 美麗な句集が発売中:

« ドライフラワーを分解!モザイク調のかさね花と銅版画の展示! | トップページ | 新刊書籍です・・・21世紀のあくび指南 »