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2006/07/20

俺たちの電子廃屋

椿 昇=評

マサチューセッツ工科大学のラボリポートです。

まるでSF映画のセット。
この高級ジャンク屋のような、
スターウォーズのポンコツ宇宙船を地で行くような研究室はなんだ??。

6月下旬トロントでグループショウのセッティングを終えた後、日帰りでボストンへランチミーティングに出かけた、アメリカへの入国審査という厄介なイベントがある他は、ちょっと博多に行ってきます程度の距離。行き先は、かの有名なMITメディアラボ。スタッフが歓迎してくれるなか、4つの短い打ち合わせと2回の食事で合計6回のミーティングを消化しつつ学内を見てまわる。実にアメリカ的というのか実利を重んじる国のリラックスした空気がフランクゲーリーの設計した校舎に充満してうらやましい限り。

怪しいゲームを作っていたり変な実験装置がゴロゴロしていて、まるでSF映画のセット。ピクサーのオフィスも確かこんな感じだったし、サンフランシスコのエクスプロラトリアムもそうだったし、なんで日本とこんなに違うんだろうと思いつつ、「エエカッコ」してバシバシ撮影できない自分が情けない。カメラ禁止でもないのに自粛するのは日本人の美徳?それともアーティストの見栄?。特にアメリカを持ち上げるつもりは無いけれど、この高級ジャンク屋のような、スターウォーズのポンコツ宇宙船を地で行くような研究室はなんだ??。

文科省や大学のお歴々も、想像力とかコンテンツとか言うのなら、まずこんなケッタイな研究室を許す度量が無いと無理でしょ。山のように視察団が行ったはずなのに10年経っても教育現場は何も変わらず、理工系は硬く、芸術系はプログラミングが出来ず、ICCはお上品で塵一つ無い。おまけにMITはすでに半数がアジア系で、白人の純血種はすでに絶滅したかのような有様。世界の先端はまさにフランス代表状態ということを再確認。

軍と極めて密接な研究をし、その資金をアートに回して僕を招く。すでに学内の校舎の多くがITからバイオに移行し、次なる支配エンジンを世界の人材が集まって駆動させている。ポスト911を象徴するようにラムズフェルドが言った「ビジネススーツを着ている君も我がアメリカ軍なのだ!」という比喩はアーティストにも当てはまる。「誰も無実では無い」というラカンの言葉は文明の恩恵を受けるすべての人々に当てはまる。だからこそ、眠ってはいけないと思うのだ。アートは永遠のレジスタンスなのだから・・・

2006年6月30日            マサチューセッツ工科大学のラボにて

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